白聖母と呼ばれる彼女は。II (ページ14)

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先輩ページ14

『教授、居る？』

Emil、と書かれた看板を提げた扉をノックし開ける。

em「どうしました？」

部屋の奥から出てきたのは教授。

yk「久しぶり〜！」

…と紫先輩。

『ゆ、紫先輩。お久しぶりです、どうしてここに？』

抱きついてくる紫先輩からそそくさと離れる。

yk「なんでだと思う？」

なんでって。分からへんから聞いてるんですよ。

em「紫さん、Aさんいじめるんやめたげて」

頭を捻っていると教授が助け舟を出してくれた。

yk「いじめて無いですよ〜可愛がってるじゃないですか」

『いじめられてます。後輩いびりですよこれ』

久しぶりだな、こんな平和ボケした感じも。肩の力が抜ける。

em「紫さんは遊びに来ただけですよ。グルッペンさんとも仲良いので。それで、Aさんは何か御用で？」

『えっと…兄さんの事について聞きたくて』

em「グルッぺンさんの事なんて、貴方の方が理解しとるって何度も言っとるやろ」

けらっ、と教授と紫先輩2人は笑った。

『教…エミさんはそういうけどさ、やっぱあの人の腹の内なんて分からへんなって』

兄の事は、基礎情報は分かる。
誕生日、血液型、足のサイズ、身長、好きなお菓子。
こんなの、正直誰でも分かる。でも好みの女の子や、苦手な人の性格、考え方の性格は分からない。

yk｢自分で聞きに行ったら良いんじゃない？｣

『……は？』