izw×kwkm 甘えたいけど ページ8
あ、睫毛長い
薄手のカーテンを通して陽の光が当たる
そうして深い緑、反射光。
黒って、緑に見えるんだ
休日を返上してまで会いに来てくれた恋人に対して可愛げがあるようなことひとつすら出来ず
その現実から目を逸らすかのようにぼんやりそう考える
「ん?どした?なんか付いてる?」
「え、いえ、?なにも…」
貴方の言葉には、全部疑問符が付く
無意識、なんてことは無い。
会話を長続きさせる1番の方法が相手に問いかけることだと万物を懐に入れている貴方なら当然知っているんでしょう?
そんな少しばかりの優しさすらも
俺には甘すぎて
どうしても、吐き捨ててしまう
「かわかみぃ」
ドキリ
胸が躍る音
何回聞いても貴方の甘ったるい声には、慣れることができない。だって、その声
「俺だけの、でしょ」
「ん?なにが?」
「へ?!あ、いえ?!なんでもないですけど?!」
「お、おう…?」
慌てた様子の俺が珍しくて好きだって
ずっと前に教えてくれましたよね
それをふと思い出してしまって
今の俺、好きですか?なんて愚骨なことを口走りそうになる
「かわかみ、かわかみ!」
「さっきからなんですか?用もないのに呼ばないでくださいよ」
うわ、最低
俺はいつまで、貴方の優しさに浸かれば気が済むの?
「用ならあるもん…」
「じゃあ早く行ってください」
「かぁかみ、俺のこと、すき?」
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作者名:花陽 | 作成日時:2021年9月21日 13時