チューベローズ【Q/K】 (ページ11)

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ymmt＋sgi（＋kwmr）ページ11

「河村は物知りですごいな！」

「う、ちょっと、子供扱いしないでくださいよ」

僕の恋人はナイスガイ
小洒落た言い方が彼の愛称、アイデンティティ。
一回り小さい後輩の男を掴まえて、子供をあやすような口調で頭を撫でる。

「いやぁ、ごめんごめん」

「謝るなら感情込めてくださいよ感情」

「んふ、満更でも、ないくせに？」

悪戯っぽく笑う彼
そんなんだから、もう。

人差し指で机を叩く
小さな音でも僕が立てた音なら反応する。
カクテルパーティーの上位互換？気分がいい。

絡めた視線をそのままに
意味ありげに目を細めて口角をあげる。
そうして１回、下唇を摘む

たったそれだけの事で
彼は顔を真っ赤に染めた。
その顔は秋に殺風景な街に色を付けるいちょう並木よりずっと綺麗だった。

この行動に込めた意味、彼しかわからないでしょ。

「須貝さん？顔真っ赤…大丈夫ですか？」

「ん、んー、あぁ〜…大丈夫！」

「なんですかその意味ありげな返事」

誤魔化すように耳たぶを引っ張って。
隠し事をしてる時の可愛い癖、河村さんには気づけないかな

「ほんと、ナイスガイ、ですね」

誰に言うでもない独り言。

未だ顔を赤くしながらかっこいい自分を守って
でもそれでいて、小さくパーカーのポケットを握っている

そこに入ってるの、合鍵？