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薬 ページ31
チカチカと、フラッシュのやうに。
くるくると、めりぃごぉらんどのやうに。
まわるまわる、ひかるひかる。
もう見たくないと思った私は、
一思いに水で薬を押し込んだ。
独特の苦さが私を更に苦しめる。
堪えきれずに吐き出した。
また、苦しめるか。
くるくると、チカチカと、
私を苦しめるか。
もう一度苦さを耐えて押し込んだ。
そうして私は、
ふらふらと病人のやうに、
ベッドに音をたてて倒れた。
嗚呼…駄目だ。また、駄目だった。
こんな物を望んでなんかない。
何処ぞの童話のやうに、
助ける救世主なんていない。
いや、居て溜まるか。
ご都合主義も嫌いだ。
今も嫌いだ。
そんなどうしようも無い、
どうも出来ない事を考えて眠る。
何時までも片付かぬ自室からは、
インクと紙と薬と埃の香りがした。
ラッキーカラー
あずきいろ
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作者名：藤葉文之 | 作成日時：2018年8月11日 18時
