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第14話 誤魔化すため ページ15
「なんでって、そりゃ買いたいもんがあるからに決まってんだろ」
正論すぎて何も言い返せない。
「まあ、いいや」
スタスタとレジへ行き、会計を済ませたリオは店の外へ出た。
ふと、気づいた。
「なんでついてくんの」
リオの後ろを松田が歩いているのだ。
「帰る方向同じだからだろうが」
「いや別に同じタイミングじゃなくてもよくない?」
確かにそうだ。
帰る方向が同じだろうが、帰るタイミングまで同じになることはそうそうない。
松田は沈黙を貫いたかと思えば、反応した。
「……はっ」
「何笑ってんのキモ」
「うるせぇ」
実のところ、松田はリオを心配して帰るタイミングを同じにしたのだ。
“夜、女ひとりで出歩くのは危険だから”と。
彼女に対して何か情があるわけではないが、降谷と諸伏の幼なじみで、何かと話すことが多くなってきたからといった理由からそう判断したらしい。
ちなみに松田が笑った理由は、誤魔化すためだ。
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作者名:リオ | 作成日時:2023年3月31日 11時