片想いからはじまる恋物語。【山本由伸】 (ページ15)

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第15話後悔と納得ページ15

山本が去った直後、リオは後悔に苛まれていた。

「──私、バカやん」

(なんっであんなことしか言えへんの、マジで。素直に嫉妬したとかなんか言えばよかったのにさぁ……)

そう自問自答した今、彼女は気がついた──自身の頬が濡れていることに。

いつの間にか泣いていた。
それくらい悲しかったんだ。

──それなのになぜ、私は突き放すことしかできない。

自分にそう訊いたところでどうにかなるわけではない。

つまるところ彼女はあんなことを言ってしまった自身を少し恨んでいた。

でも、それよりも彼女は山本に弁明して欲しかった。

週刊誌に彼と写っていた女性は誰なのか。
どういう関係なのか。

(でもきっと、もう嫌われたから)

彼の口から弁明の言葉を聞く事は出来ない。

自分には愛想をつかしてあの女性と幸せになるのだろう。
第一、自分に好意を持っていたかすら分からないが。

ハッとした。

(私は、何を考えてんだ)

──私は彼と自分が釣り合っているとでも思っていたのだろうか。

(そんなわけがない)

プロ野球選手の山本と、球団職員のリオ。
この2人はお世辞にも対等な立場になれたとは言えない。

山本に相応しいと言える立場なのは、彼の隣にいた女性だろう。

(なら、これでよかったんや……きっと…)