Fischer's BL短編集 (ページ8)

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第5話②です。

﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍﹍

モトキは、自分のベッドに仰向けに寝転がっていた。

もう何もする気になれない──そんな顔をしている。

それもそのはず。

先ほど外出した際、恋人のシルクの浮気現場を目撃してしまったからだ。

(ああ。こんなことになるなら、珍しくショッピングに行こうなんて思うんじゃなかった)

ていうか、シルクと一緒にいた子、女の子だったな。

しかもすごい可愛くて優しそうな子。

シルクはやっぱり男の俺より女の子の方がいいんかな──そんなネガティブなことしか考えられないモトキ。

(──泣くな。泣くな俺…！)

そう思ってみるも、涙は止まってくれるわけではない。

モ「……っ…」

　「シルクぅっ……」

「──モトキ、お前なんで泣いてんの？」

その時、どこからか男の声が聞こえた。

モトキは上半身を起こして、その声の方へと顔を向けた。

モ「っえ…？」