第7話 お相手は赤色さん�� ページ17
2月14日、バレンタインデー。
モトキが作ったチョコを渡すのは、彼の想い人──シルクロードだ。
綺麗にラッピングしたものを入れた紙袋を片手に、モトキはシルクの家を訪ねた。
──ピンポーン
シ「はいー」
モ「俺ー、モトキ！」
「お邪魔しまぁす」
リビングのドアを開けると、ソファに座ってテレビゲームをするシルクの姿が目に入った。
そして、おそらくファンの人たちから送られてきたであろうパレンタインギフトも。
モ(あ、やっぱり貰ってたんだ。まあシルク人気だしな…)
シ「悪ぃ、ちょい座って待ってて」
モ「うん」
ゲームをやり終えたのか、立ち上がって伸びるシルク。
モ「終わった？」
「実は今日さ、シルクに渡したいものがあって来たんだ。はいこれ」
シルクはそれを受け取った。
すると彼はハッとしたように部屋の外へ向かい、何かも持ってきて、モトキに手渡した。
モ「え、なにこれ」
シ「…………インだから」
小さな声で言うシルクにモトキは聞き返した。
シ「っだから！ バレンタインっ！」
その言葉を聞いてモトキは箱の中を見た。
そこには、不格好なチョコレートが入っていた。
そしてその横には店で買ったであろう綺麗なチョコレートが入っていた。
モ「シルク、もしかして自分で作ったの？」
シ「うん…。いやでも、美味しくないし…モトキのに比べたら全然だし…」
ボソボソというシルクを横目にモトキはチョコレートをひとつ取って食べた。
シ「わ、バカ！」
「おま、腹壊すぞ！」
モ「うん、美味しい。少しビターって感じ」
「いいじゃん、シルク。成功だよ、これ」
シ「モトキ…」
少し安心したシルクにモトキは、自分が作ったものも食べるよう促した。
シ「だああっ！ やっぱお前のがうめぇじゃんか！」
ひとくち食べて叫んだ。
モ「ありがと。でもシルクのも美味いよ」
ふと、シルクが口にした。
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作者名：リオ | 作成日時：2023年2月14日 18時
