〈中編〉 ページ13
すると、戻ってきたシルクがみんなに向けて言った。
シ「ちょっと今度の日曜日、やまとと出かけてくるわ。撮影の日じゃないし」
どうやら先ほど、キッチンで出かける約束をしたらしい。
シ「あ、仕事はちゃんと終わらせておくから」
シルクらしい。
用事があっても仕事は絶対に怠らない。
ン「いや！ 大丈夫だよ、俺たちで協力してやっておくから！！ ね！」
突然ンダホがそう言い出した。
しかしそういうことは譲らないのがシルクだ。
シ「いやでも…。やることだけやれば行けると思うし」
シルクに反論し、ンダホに加担するようにFischer'sのメンバーたちも言い出した。
モ「そうだよ。シルクもちょっと息抜きってことで。ゆっくり出かけてきなよ」
シ「……わかった。じゃあ、お言葉に甘えて…、ありがとう！」
ンダホたちは思った。
(そうでもしなきゃ、シルク余計忙しくなっちゃうし…。それに、やまとには頑張って欲しいから)
行きたいところを話し合うシルクとやまとの後ろで、コムドットのメンバーたちが小さな声で「ありがとうございますっ」と、口々に言った。
これぞメンバー愛というものか。
彼らが出かけた日曜日の夜、シルクはメンバーたちが集まるマサイの家に行った。
──やまとと共に。
インターホンを鳴らし玄関のドアを開けたシルクとやまとはみんながいるリビングへと向かった。
シ「ただいまー」
『おかえりー』
いつもどおりのメンバーたち。
そして、シルクの後ろから彼より背の高い、やまとが現れた。
や「っお、お邪魔しますっ」
ン「あれ、やまとも一緒に来たの？ あ、ゲームしない？」
急に来たやまとに何か言うわけでもなく、ゲームに誘ったンダホにシルクは言った。
シ「悪ぃ、ダホ。ゲームの前に、ちょっと言わなきゃいけないことがある」
ン「……わかった。いいよ、座って」
2人に座るよう促したンダホと、他のメンバーに向き合ったシルクとやまとは正座をした。
シ「俺たち──」
〈後編〉→←第6話 番外編 コムドットのリーダーと赤色の話〈前編〉
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作者名：リオ | 作成日時：2023年2月14日 18時
