愛情と矛先。 (ページ3)

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Youside

『え？進路？』

｢そう、進路。そろそろ考えないとじゃん。｣

クラスメイトの春(はる)にそんなことを言われた。
正直言ってそんなこと考えてなかったし…

『進路なんがまだ早いでしょ、まだ高校2年だよ？』

春｢もう、高校2年なの！
進路相談とか皆もうやってんだからね？｣

『…早いなぁ、、』

ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝ

教室まで響く蝉の鳴き声がやけに響いたのは気の所為だろうか。
進路の紙をボーッと眺めながら、、

春｢もう帰るけど、Aは？帰る？｣

『ん〜もうちょっといるかなぁ…』

春｢あんま遅くなるなよ〜。｣

『あいよ〜。』

進路相談の紙をヒラヒラさせて春にじゃあねの意味を込めて。

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教室に一人残ったAはロッカーに閉まってあったギターを取り出す。

『…まだ、諦めきれてないなんて言ったら馬鹿みたい、だよね…』

昔の自分なら、将来の夢は｢歌手｣と迷わず書いたであろう。
ただ今は迷いのある自分に正直わからなくなっていたAである。

『…貴方に会いたくて』

一人教室でMrs. GREEN APPLEの｢Soranji｣を弾いて歌い始めた。
その歌声は校内に響き渡り、窓が空いていた為外にも。

｢…この歌、｣

たまたま外に歩いていた男性、
そうこの歌を作成した張本人にも届いているとは知らず。

元貴｢この声、どっかで…｣

『まだ消えちゃいないよちっちゃな希望を』

元貴は暫く聞き入っていたが用事を思い出して歩き出した。
そして弾き終わったAはギターを閉まって教室を出た。