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S.Natori












俺たちの大学時代の後輩が、初療室に運ばれてきた。












「涼介!」












「お母さん!困ります!」












『お母さん!外に…』












「Aさん、ちょっと、ちょっと目を離しただけなの…!
こんなことに、こんなことになるなんて思ってなかった…!」











どうして山田、今更になってAに…












横峯「事故だったんだよね?」











灰谷「段差で、転げ落ちたらしいよ。」












横峯「ALSって、
全身の筋肉が動かなくなってく原因不明の難病でしょ?」











名取「…そうだ。ある日突然発症して、根本的な治療はない。
過酷な病だよ。」











横峯「治療してから3年〜5年。最後は呼吸不全で…」












『お疲れ様です。』












横峯が言いかけた時、Aが戻ってきた。
その日の夜、山田の病室に少し寄ろうと顔を覗かせれば…












山田「……名取?」












名取「山田、起きてたのか?」












山田「…すまん、ホントに、申し訳ない…」












名取「謝るなら、Aに謝れよ。」











山田「俺、本当はAに会いに来たんだ。」











俺の片思いは、多分一生報われない。
コイツと、Aが両思いで、俺だけは一生片思いだ。











山田「けど、本当に転げ落ちただけで…」











名取「……わかってる、わざとじゃないってことくらい。」











山田「怒ってるか?」











名取「え?なにが…」











山田「俺が、Aと付き合ったこと…」











名取「んなわけねぇだろ、とっとと寝ろ。」











山田の病室の電気を消して俺は医局に戻った。

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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2023年11月29日 8時

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