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はじめside
Aが勝手に帰った後、美雪達から事情を聞いた。
「おいそれ、なんで早く言わねぇんだよ。」
「早くって言われても…僕達もA先輩から今さっき聞いたんですよ。」
「Aちゃんは、はじめちゃんに迷惑かけたくないとか言ってるし。」
「迷惑かけたくないって…何かあってからじゃ遅いだろ。」
Aはそうやって一人でなんでも抱え込むくせがある。
そう思っていたら俺のスマホが鳴って相手はA。
「もしも＿＿＿」
《はじめちゃ＿＿＿助けて！》
「A？！A！」
《誰かに連れてこられて…怖いよ…はじめちゃ＿＿＿！》
「おい！A！」
途中で通話が切られてAの泣きそうな声が頭にこびり付いている。
「先輩、どうしたんですか？」
「Aちゃんは？」
「Aが…誘拐された。」
「「え？！」」
くっそ…A待ってろ、すぐに助けに行くから。
「で、Aが出てったのははじめが来てすぐだったんだな？」
「あぁ。」
「その時、不振な人物とか見なかったのか？」
「見てないです。ですよね、美雪先輩。」
「うん、私も見なかったよ。」
店の防犯カメラも確認したけど怪しい人物は見つからず、
俺もおっさんも諦めかけていた時だった。
「…なるほどな、そういうことか。
Aは案外近くにいるぞ！」
「はじめ！」
「Aの居場所がわかった。」
「A先輩の？！」
「どこにいるの？」
「あそこだよ。」
俺達が居た場所の地下に繋がりそうな階段を指さした。
「まさか、はじめちゃん…。」
「先輩、犯人がわかったんですか？」
「あぁ、犯人と動機もな。
謎は、全て解けた。」
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年3月31日 21時
