ゼイチョー｢払えない｣にはワケがある【２】

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Youside











女性と百目鬼ちゃんは対面で話して相談に乗っていた。











「出渕恵美さん。
1年前に旦那さんと離婚して夫婦それぞれで長女と長男の1人ずつを引き取った。」










「はい。今はお互いシングルです。」










「申請をご希望されているのは、
生活保護とひとり親控除児童扶養手当ですか。」











「離婚した後体をこわして働けなくなってしまって、いろいろと利用できる制度を調べたんです。」










「それでは福祉課と子育て支援の窓口へ行ってみてください。
あちらの…」












「あ、それだけじゃないんです。私住民税の滞納をしてるんです。
その停止処分をお願いします。」










「停止処分？」










その言葉に私も引っかかった。
…停止処分、そのことはちゃんと調べてないとわからないことだ。










「できますよね？」











「出渕さん。納税は国民の義務です。
確かにどうしても納税ができず、
差し押さえられる財産がない場合は滞納処分を停止することもあります。










生活保護の受給者もその対象者にはなり得ますが…」









「だったら私にも適用してください。」











「停止処分は滞納者の申請に基づくものではないんです。
停止を検討するかどうかもこちらで審議して…」










「地方税法15条の7です。停止処分の規定がありますよね？
ちゃんと審議してください。」











出渕さん…少し気になるな。
その日の夜、残業はあまりできないけど少し市役所に残った帰り。










「あれ、白雪さん。まだ残ってたの？」











『橘係長、お疲れ様です。』











「お疲れ様、残業になっちゃうよ。｣










『ですね、そろそろ帰らないと。』










「最近はどう？」










『…え？』











「前のほら、財務省から徴税吏員になった理由。
その答え聞けてなかったなって。」











『あぁ〜…またそのうち、話しますよ。』













「白雪さん。」











『なんですか？』












「少しは頼ってもいいと思うよ。










俺も頼りないと思うけど頼ってくれていいし、3係の皆も相談は乗ってくれると思うから。」












『ありがとうございます。』











係長と久しぶりに1対1で話してその日は上がって帰宅。

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