囮 ページ33
Youside
落札した向日葵は今日1日は厳重な金庫に保管されるということで、そこまでは順調だった。
『すいません、少し御手洗に。』
杉下さんに小声で言っておき、私は会場から出てトイレに向かったが。
『…なんだ、あれ…。』
黒い服を着た数人の集団。
確かあの奥には向日葵がある部屋なんじゃ。
その数人の後をついていけば向日葵に手を付けようとしていた。
『ちょっと待ちなさい。』
「誰だお前…!」
『警察よ。』
「警察…!?」
『そのゴッホ、贋作なんじゃない?』
「なんでお前…。」
「おい!」
やっぱりね…贋作だから盗もうとしてるってわけ。
それにしてもよくできてるわね。
『それにしたって誰の差し金?』
「さぁな、お前は検討ついてんじゃねぇか?」
『…なるほどね、そういうことだったら…。』
「お前に捕まる訳にはいかないな。」
急に後ろから声がすればあの時の婚約者。
『…またあんた…。』
「あんたばっかりだと僕も悲しいな。
僕には秀悟って言う名前があるんだけどな。」
佐伯秀悟、先程(冒頭部分にて)紹介した建設会社の社長だ。
『佐伯建設の御曹司か何かしらないけど、私は______』
「君には囮になってもらうよ。」
『…っ…!?』
その瞬間急に意識が遠くなった。
…というよりかは、殴られたんだ。
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Rei - いつもゆうりさんの作品を見て感動してます!!応援してます!!頑張ってください!! (10月22日 20時) (レス) @page17 id: 1ac691a90a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年9月14日 23時