桜、同じ國の庭に咲く＿＿【相棒】

向日葵 ページ32

Youside





それから間もなくしてオークションが開かれようとしていた。





「今回のオークションの目玉はコチラです！」





そう言われ布に覆われた商品が露になり、向日葵が描かれていた。





『ゴッホ…。』





「今回の目玉はこちらのフィンセント・ファン・ゴッホが描いた15本の向日葵。」





あのゴッホの向日葵って確か…贋作が、どうのこうのって言われてなかったっけ？





「こちらは10万円からのスタートです！」





「20万！」





「30万！」




ゴッホの向日葵、ねぇ。




「ゴッホの向日葵は、確か一つだけ日本で焼失されたと言われていますねぇ。」




『はい。それがどうやら見つかったようで。』




「はい？」




『あの人たちが買い取ったんですよ。
わざわざこのオークションに出すために。




この内容は非公開にはなっていますが、その際に贋作だのどうのって騒がれていましたから。』





「贋作、ですか。」





「気になりますか？右京さん。」





「少々、気になりますねぇ。」




「どこかまいいんだか、俺は絵なんかより…。」





「絵なんかより、なんだよ。」




憲ちゃんの視線が感じて、私も思わず顔を見た。




『なに？私の顔になんか付いてる？』




「まさかお前、Aに惚れたんじゃねぇだろうな？」




「馬鹿かお前、それは亀の方だろ。」




「はぁ？」





『二人とも、馬鹿…？』




「「馬鹿じゃねぇ。」」





「500万！」





そして最後の500万の一言で、





「他にいませんか？




それでは500万円で落札です！」





ゴッホの向日葵は落札された。

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