桜、同じ國の庭に咲く＿＿【相棒】 (ページ23)

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出戻りページ23

Noside

Aは警視庁の廊下を歩いている。
ダンボールを持ってその先に向かったのは"特命係"。

Aは少し緊張した面持ちで足を踏み入れた。
一方同時刻、珍しく捜査一課にいたのは薫と伊丹。

｢どうやってねじ込んだんですかね？｣

｢さぁな、さっぱりわからん。｣

｢｢(お願いする時は頭を下げるのみ。)｣｣

薫と伊丹は小野田官房長に頭を下げたことを思い出していた。
薫と伊丹は立ち上がりスーツを直し上着を直した。

Aは特命係に入り、その視線の先には右京。

『おはようございます。本日付で特命係に配属になりました、
鍵等Aです。部署は違いますが、出戻りです。』

｢申し上げておきますが、嘱託職員に捜査権はありませんので。｣

『そもそも特命係には捜査権なんてありませんよね？』

｢わかっていれば結構、では＿＿＿｣

右京は右手を差し出して、Aは急いで荷物を置いて自分の右手を服で少し拭いてから右京と握手を交わした。

『…よし。』

Aは自分のデスクに写真を置いた。
その写真は薫、伊丹、Aの三人で撮った時の写真だ。

｢まさかあのおふたりが戻すとは思いませんでしたね。｣

『えっ？どういうことです？』

｢聞いてませんでしたか…亀山くんと伊丹さんですよ。
あのおふたりが官房長に頭を下げました。｣

『えっ。』

Aは信じられないという顔で右京を見る。

『またなんであの二人…。』

｢あぁ、僕から聞いたことは言わないでください。
今はそっとしておいてあげておいた方がいいと思いますよ。｣

『杉下さん…。』

右京の言葉にAは信じられないと思いながらも、ほんの少しどこか嬉しそうな顔をしていた。