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誰が ページ21

Noside




「智弘が言ったんです。





事件が解決して賞をもらったが、我々の捜査がもっと早ければふたりの犠牲者を出さずに済んだ。





そのことを忘れないように、戒めとしてずっと仕事で使う万年筆にそれぞれの名前を刻もうと。」





右京が続ける。





「智弘さんは、おふたりの名前を忘れていなかったようですねぇ。





パソコンのIDとパスワードには、それぞれおふたりの女性の名前を暗号で数字化したものが使われていました。」





それをきいたAが話に割り込んできた。





『裏金のデータ、あったんですか?』





「残念ながら何者かによって消されていました。」





『何者か…。』





「IDとパスワードに気づき得る人物はたったひとり。」





右京が人差し指を立て、それをゆっくりと早田に向けた。





「あなたですよ。早田さん。」






「俺は殺しはやってない。」






Aは早田を疑うような顔で見た。






『じゃあ誰が殺したって言うんですか?』






「A。」






『あなた以外にありえないでしょう!』






殴りかかろうしとが薫と伊丹に止められ、Aはその場で膝から崩れ落ち薫が支えた。






「本当に俺は殺しはやってない。頼まれただけだ。」






「頼まれた?」






「俺は智弘のパソコンのデータを消すように頼まれただけなんだ。」






Aは薫に支えられなが、早田を見上げた。
その顔には一筋の涙があった。






早田の取り調べは警視庁でおこなわれ、右京が取り調べを続けていた。





その後、早田は「殺しは自分はやっていない」を強調し続けていたのだ。






Aはそのことを特命係にいながら聞き、警視庁を勢いよく出て行ってしまった。





「おい、A!」





薫はその背中を追いかけることもできず、ただ見つめることしかできなかった。

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Rei - いつもゆうりさんの作品を見て感動してます!!応援してます!!頑張ってください!! (10月22日 20時) (レス) @page17 id: 1ac691a90a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年9月14日 23時

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