桜、同じ國の庭に咲く＿＿【相棒】 (ページ2)

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事件ページ2

Youside

年末。
世間が大晦日で忙しなくなる日だ。

『変わんないなぁ。』

私が刑事の職を辞めて、3年。

『買い物行くか。』

そんな私の心の中は空っぽで、何も考えたくはなかった。
こうなったのも全部全部自分のせいなんだけどね。

”へいらっしゃい！らっしゃい！”

年末の雰囲気をかもしだしたデパート内。
買い物かご片手に私は今日の料理を選んだ。

パァァァン！！！

その時だ、拳銃音が聞こえたのは。

｢殺されたくなければ大人しくしろ！！！｣

拳銃音に思わず体が縮んだが、すぐに元の体制に戻る。

｢全員携帯電話をこの袋の中に入れろ！！！｣

犯人は複数犯、数える限りでも四人。

｢お前、携帯電話入れろ。｣

『私、持ってないんですけど。』

｢嘘だろ！出せ！｣

『さっき落としたのか無くしちゃって…。』

｢見つかったら殺すからな。｣

犯人はそう捨て台詞を言い、私の前から移動してきた。
金が目的か…それとも金以外か。

しばらく様子を見るしかないか。
とんだ年末になったなぁ…なんて、刑事だった頃を思い出す。

毎年毎年、事件事件でろくに休めなかった年末年始。
薫ちゃんが特命係に移動後も事件ばっかりだったな。

『あの…すいません。』

｢なんだ！｣

『お手洗いに行かせて貰えませんか。』

｢…俺が一緒に行く。下手な真似すんなよ。｣

『わかってますよ。』

拳銃を持っていた為に両手を上げながらトイレに行く。
複数犯だった犯人が一人になる瞬間だ。

これは倒すしかない。