双子の妹。9.【金田一少年の事件簿NEO】

▽ ページ10

Aside




「美咲蓮花は、世界初の青薔薇を出店する予定だった薔薇ブリーダーの女性の名前だ。」




「そして、二つ目の条件はこの館に招待された人達全員の名に薔薇の名前が入ってることだ。
一人目に殺された被害者皇翔さんは音読みで"皇翔"。」




はじめちゃんの言葉の後に横にいた部長が本で確認させる。




「そして二人目の被害者、祭沢一心。
三人目の被害者 禅田みるく。毛利御門。冬野八重姫。佐久羅京。
真壁誠。ホテル火災の避難客で、しかも薔薇の名前を持っている人物。
それが招待客選びの条件だったのよ。」




「何のために、そんなことを？」




「殺すべきターゲットを絞り込むためさ。
今回の事件、最初は誰を殺したらいいのか犯人もわかってなかったんだ。
で、風呂に罠を仕掛けたんだ。
人の名前を表してる"美咲"と"蓮花"を浮かべた湯船の、
本当の意味をわかって風呂に入れない客。それがターゲットさ。」




「使ってないバスタオルがどれなのか、後で回収ボックスを調べれば確認できる。
最後のターゲット、八重姫さんを仕留められなくて残念だったわね。」




はじめちゃんと二人で犯人の前に立つ。




「「あんたが犯人だ/よ。月詠ジゼル。」」




「ジゼルさんは二つ、ミスを犯している。その発言で。
まず、一心さんの遺体を発見した時。
何であの時一心さんが入る男湯に"蓮花"が浮かんでたって知ってたの？」




「それは女湯にも浮かんでたから！あなたも見たでしょう？」




「男湯にも同じ薔薇が浮かんでるとは限らないでしょ。」




ジゼルさんと視線を合わせると、少し悔しそうにしていた。

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