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Aside
「「何で高遠を呼んだ/の?」」
「そうだ。高遠はホテル火災には無関係だし薔薇の名前が入ってない。」
「決まってるでしょ?犯人役としてよ。
まだ幼い頃お母さんから、腹違いの兄がいるってことは聞いてた。
その兄が、指名手配中の凶悪犯だってことも。
私の体の中に凶悪犯罪者の高遠遥一と同じ血が流れてる。
そのことで私は、ずっと苦しんでた。
その兄を…ひと月前に意外な所で見掛けたの。
兄が…凶悪犯の兄が、平気な顔して人混みに紛れて歩いている。
その時ずっと抱えてた、皇翔殺しの罪悪感が不思議と薄れて行くのを感じた。」
ジゼルさんは、そう言いながら笑っていた。
「だったらいっそのこと、
兄と教えられたあの凶悪犯に罪を擦り付けてやろうって。
私は悪くない。あいつと同じ血がそうさせたのよ!」
「同じ血が流れている?」
後ろを振り返るといつのまにか高遠が。
「高遠。」
「僕の犯罪計画のエピローグはもっと美しく、鮮やかだ!
こんな出来の悪い計画を実行する君に兄とは呼ばれたくない。」
「で、どうするつもり?兄さん。私を殺す?」
「当然だ。」
「手紙で書いた約束通り見せてあげるわ。妹が死ぬところをね。」
ジゼルさんは自分の持っていた薔薇の花束から一本の黒い薔薇を抜いき、自分の首に当てようとした。
その瞬間、高遠がそれをナイフを投げて阻止し壁に突き刺さったナイフをジゼルさんが手に取り自分の首に当てようとしている。
「「やめろ/やめて!」」
「君がどれたけ苦しんできたか俺にはわからない。」
はじめちゃんは私の前に出て、
私を前に行かないように手で抑えていた。
「でも…これだけは言える。
高遠がここに来たのは、君に会いたかったからだ。
自分の妹に会いたいという、人の思いが、そこにはあったと俺とAは信じてる。
高遠は、確かに君を捜してた。」
私とはじめちゃんは高遠の方を振り返る。
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反町ゆうり(プロフ) - puppyandchiplovさん» 読んでくださりありがとうございます!更新獄門予備校の方もあるので良かったら読んでみてください。更新頑張ります!ありがとうございます。 (2022年3月19日 21時) (レス) id: 9b92789279 (このIDを非表示/違反報告)
puppyandchiplov(プロフ) - すごく楽しく読めました。最後、キュンときちゃいました。これからも、頑張ってください。応援してます (2022年3月19日 21時) (レス) @page19 id: df59f097f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月17日 8時