３３ ページ34
・
饗庭とAは、休みの日にバスに乗っていた。
Aが窓際、饗庭が通路側に座りAは窓の外を眺めていた。
「『……。』」
お互い特に話すこともないが、
Aはある日の出来事の事を思い出していた。
”礼二くん＿＿＿！！”
財務省時代の同期、奥林礼二が屋上から飛び降りた日の事をだ。
ふと前を見ると子どもが座っており、顔をこちらに向け二人を見ている。
そして饗庭はと言えばその子どもに向けて変顔をしたが、変顔をされた子どもは何も言わず椅子に座り直した。
「えっ…」
『……何やってんの？』
「あぁ、いや…」
Aはまた呆れた目で見ていたが、
饗庭はと言えば私服のAをまじまじと見た。
『…そんな見ないで貰えますか。』
「いつものAと違って可愛いなぁって思って。」
『……ふざけてんの？』
「俺結構本気だけど？」
『馬鹿…変なこと言わないでよ。』
笑顔で当の本人は自覚があるのかないのか自然とそんな事を言える饗庭に、Aは少し顔を赤くしながらそう言って誤魔化す為にまた窓の外を見た。
「あれ？照れてる？」
『照れてない…』
「ちょっと顔赤いけど。」
『朝日のせい！！』
「うわ、ビックした…(朝日なんてどこにもねぇけどな。笑)」
勢いよく饗庭に顔を向けたAはそう言った。
そんなAを見た饗庭は自然と頭の上に手が伸びていた。
「まぁ、今から行くのはわかってると思うけど…」
『饗庭…』
「言ってね、Aには無理して欲しくないから。」
『う、うん。』
饗庭は頭を優しく撫でたが、当の本人は急な優しさに戸惑いを見せた。
そのタイミングでバスが停り、
停まった場所は「海浜総合病院前」と書かれていたのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 416人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
反町ゆうり(プロフ) - 瑠衣さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (11月4日 19時) (
レス) id: 9c7b927df5 (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - 更新楽しみにしてます(*'▽'*) (11月4日 18時) (レス) @page30 id: 75445a456f (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - こんばんは(*^^*) 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 01のここの台詞 ｢警察とは違い徴税吏員の捜索に裁判所の令嬢は必要ないんです。 立会人が必要なので加茂原さまにお願いしてもよろしいですか？｣ これ正しくは裁判所の礼状はではないんでしょうか？ (10月28日 22時) (レス) @page2 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - また続けてのコメントですみません。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (10月22日 12時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
結歌 - 続けてのコメントですみません(._.) 同期で一番守りたい存在だという。 だが、○○←名前の事になると感情的にある事もあるようで… 同期で一番守りたい存在だという。 これ正しくは感情的になる事もあるようで... ではないんでしょうか？ (10月22日 12時) (レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2023年10月17日 8時
