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Aside
これじゃあ、高遠が…。
「高遠がやったとはまた言いきれないの!」
「あんたは黙ってて。」
「ここで大人しくしてろ。」
「これじゃあ、高遠が…。」
可哀想、そんな言葉が出てきてしまう。
はじめちゃん達と一緒に廊下に出て、佐久羅さんが鍵を掛けた。
ドンッ
「なんであんな奴を庇うんだ!」
「ちょ、部長…!」
「あいつは凶悪連続殺人犯なんだぞ!」
「でも、あいつは…何で自分が犯罪に手を染めるようになったのか、
あいつはその理由を捜してた。あいつにも…人の心はあるんだよ。」
「はじめちゃん。」
はじめちゃんは、信じてるんだ…高遠のこと。
「悪ぃ。すぐ行くから、先戻ってて。」
部長は先に戻ったけど、私はその場に残った。
「高遠、そこにいるよね?」
「フッ。もちろん、縛られてしまったからね。」
「よくいうよとっくに、ほどいたくせに。」
「でもこれで、奴の目的が…見えた。ローゼンクロイツは、
僕を無差別殺人犯の犯人に仕立て上げることで、どうやら僕に復讐がしたいらしい。
僕への侮辱だ。奴を拷問にかけ全ての罪を白状させ…殺す。」
「ローゼンクロイツが、あんたのきょうだいだとしても?」
「もちろんだ。」
私は、高遠も真犯人も止めてみせる。
「「そんなことさせねぇぞ/させないよ!
あんたには誰にも殺させない。きょうだいだったらなおさらだ/よ。」」
「君達と僕は、光と影。コインの表と裏。」
「「このややこしい事件の謎…俺/私が必ず解いてみせる。」」
「僕のために?」
「「違ぇよ/違うよ。
名探偵といわれた…
じっちゃんの名にかけてだ/よ。」」
「じゃあ、のんびりここで待つとしますか。」
「「そして…あんたのきょうだいも必ず捜し出してやる。
そしたらちゃんと自首しろよ/してよ。
候補は三人。あんたより年下の佐久羅京。冬野八重姫。月詠ジゼル。」」
「いいでしょう。でも金田一君とAちゃん。
君はもう一人、条件を満たした大事な人物を忘れてる。
真壁誠。」
「「えっ…真壁先輩が、あんたの弟…?」」
ふと右側をふりかえると、真壁部長が立っていた。
「「部長!待って!!!!」」
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時