▽ ページ19
Aside
少し進んで確認すると、みるくさんが倒れていて胸に矢が突き刺さっていて私は思わず目を瞑った。
「みるくさん!」
「右袖がない。随分、争ったようだね。」
「あぁ。」
はじめちゃんが部屋の鍵を二箇所確認したらまた掛かっていた。
「…影?」
「鍵、掛かってるな。」
しばらくして後ろを振り返ると、佐久羅さんが遅れてやってきた。
「えっ?何?」
「あなた、どこに行ってたのよ?」
「俺は、ローゼンクロイツの指示通りにしてただけです。
あ…ほら。」
そう言った佐久羅さんは例の案内状を見せてくれた。
「もしかして…みんなも案内状を?
俺とAは、11時55分の開かずの間の外で。」
「俺は、11時55分にここだ。」
「私は、11時50分に一階の螺旋階段に来いと。」
「私は、11時50分に円形応援室の前って。」
「私もです。」
八重姫さんの後にジゼルさんも教えてくれた。
「11時45分に地下の、南の部屋の前。」
「なんでこんなことを…。」
パンッ!
「これでローゼンクロイツが誰かはっきりしたな。
お前だよ!」
部長は高遠を指指して推理を始めた。
「犯人が、みるくさんを殺して逃げるとしたら、
らせん階段を下りて地下を通るしかない。開かずの間に、
一番近い場所にいたお前しかいない!」
「赤薔薇の花言葉は、"私を射止めて"。そなたを射止めし、
銀の矢を放ちたる者はオリンポスの神にあらず。
血塗られた地獄の死者。あなたは、高遠遥一さんですね?」
やっば…バレた、はじめちゃんに視線を送る。
「金田一さんとAさん、さっき言ってましたよね?
何か聞き覚えがあるって検索したら…。」
「あなたがローゼンクロイツなの?」
「違う!」
「お前何言ってんだ?」
「高遠がやったんじゃない!違う!」
「はじめちゃんの言ってることは、本当だと思います!」
「A…。」
今回の事件、高遠がやったとはまだ完全に言いきれない。
佐久羅さんが近くにあったナイフを手に取った。
「どけ!みんな、こいつから離れろ。こいつを閉じ込める。」
私達の言葉を聞かない佐久羅さんは、
部屋に高遠を案内して椅子に座らせ紐で動けないように縛った。
90人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時