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Aside
「トリックは今のところ不明。」
「でも、何故だ？一心さんはあんたより年上、
ローゼンクロイツは何で、
あんたのきょうだいと思えない人たちを殺して行くんだ？」
「僕への挑戦状かな？」
「ん？」
「自分のほうが優れた殺人者だと僕に思い知らせたいのかもね。」
「そんなことのために、何の罪もない人達を殺してるっていうのか？」
私の隣にいた部長が口を開いた。
「この事件の犯人は、僕に思考が似てる。」
「あんた…。」
「ローゼンクロイツ。そいつこそが、僕のきょうだい。」
「本気でそう思ってんのか？」
「可能性の話だ。このやり方は僕っぽい。君達もそう思わないか？」
「喜んでんのか？」
はじめちゃん…でも、だとしても殺人なんて許されない。
高遠は杭を部長に持たせてその部屋を出た。
「捜してたきょうだいが、
自分と同じように犯罪を快楽としている人間かもしれない。」
「血は争えない！…ってやつ？」
はじめちゃんは部屋から出て、高遠が向かった方へと走って行く。
私もその後を追って高遠と話してる二人を遠くから聞く。
「高遠！俺とAをきょうだい捜しに呼んだのは何故だ？」
「興味があるんだ。僕という人間が生まれたルーツに。」
「ルーツ？」
「幼い頃、貿易商を営んでいた父がひどく酔って帰ってきた。
その時に気付いた。自分は全く、この男とは似ていない。
目の前にいるのは本当の僕の父親じゃ、ないって。」
「本当はきょうだいに会いたいんじゃないのか？」
「フフフっ、勘違いしないでほしい。
かの名探偵金田一耕助がいたことで今の君とAちゃんがあるように、
僕にも顔も名前も知らない本当の父親によって今がある。
それは誰なのか、その答えを知る唯一の手掛かりはそのきょうだいしかいない。
君達と僕は、光と影。あるいはコインの表と裏。」
はじめちゃんは、今の話信じてるのかな？
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年3月15日 18時
