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Aside




テラスの方へ移動して、
はじめちゃんの近くで中の様子を覗こうとした時だった。




「A!」




「きゃっ…!」



はじめちゃんに隠されて恐る恐る中の様子を見てみると、
一心さんが自分で剣を体に刺して亡くなっている状態だった。




「青い薔薇よ。願わくば、教えておくれ。
温もりの泉にまだら模様の"蓮花"を浮かべ彼を癒しながらも、
その命を奪った矛盾を。」




「これは、ゴルゴダの丘だ。」




「ゴルゴダの丘?」




「イエス・キリストが罪人と共に、
十字架に張り付けにされたといわれている丘ですよ。」




「毛利さん、あそこに見えるドアどっち側に開きますか?」




「確か、部屋の内側に向かって開きます。」




はじめちゃんの言葉で気づいた。




「それじゃ、あの部屋は密室。窓は全部内側から閉まってて、
あのドアを開けば敷き詰めた青薔薇が内開きのドアによって崩れる。」




「さすが金田一君とAちゃん。君達も気付いたか。」




「毛利さん、何かガラスカッターみたいなものってありませんか?」




「探してみます。」




「なるほど。」




「あんたの得意分野ね。」




はじめちゃんと高遠と顔を合わせる。




「何でドアから入らないんだ?」




「ドアを開けたら調べる前に…。」




「「現場が、めちゃくちゃになる。」」




「はい、完了。」




はじめちゃんと高遠が中に入った。
私はあまり気分もよくなかったため、外から現場を確認。




「さて、この杭を抜いてみましょうか。」




最初は高遠だけで抜こうとしたが抜けず、
はじめちゃんが途中から手伝って二人の力でようやく抜けた。




「これは…。」




「死体とカーペットを突き抜けて床に刺さってた。」




「間違いなく他殺だな。」




「「だな/だね。」」




「自 殺者自信がこんな杭を力づくで自分で突き刺せるわけがない。」




「窓は全滅。」




「内側にしか開かないドア。」




「そして、ドア前の床に敷き詰められた青い薔薇を崩すことなく、
扉を開け閉めすることは不可能。」




完全に密室の部屋で、どうやって一心さんを…。

▽→←▽



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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年3月15日 18時

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