４４ ページ45
Aside
また次の日、サブローとのデートの日だ。
だけどなんか…まぁ、体がだるくて重い。
気のせいだと思いたいけど…自分のおでこにとりあえず、
手を当ててみた。
「…ｹﾎｯ…最悪、風邪…？」
でも…サブローが楽しみにしてるはず。
だから急に風邪でデートできなくなったってなったら。
頑張って起きて、制服を着た。
重い体をどうにか動かしてサブローの部屋まで行く。
「サブロー？」
「あれ？もう来ちゃったの？
ちょっと待ってね…これと、これと。」
サブローが襖を開けて顔を合わせたけどその安心感からか、
私は全身の力が抜けてサブローの方へと寄りかかってしまった。
やばい…バレるから、風邪ひいてるのが。
「ちょ、A…？！」
「…ｹﾎｯ…ｹﾎｯ…。」
「もしかして…熱あんの？」
必死に首を横に降るけど、そんなのは誤魔化しようはなく。
サブローの手が私のおでこに当てられて、冷たくて気持ちいい。
「あっつ！だいぶ熱あるよ、これ…。」
「サブロー…ｹﾎｯｹﾎｯ…。」
「せっかく着替えてくれたけど…出かけるのはやめよう。」
「でも…。」
「Aの風邪がまた悪化したら、俺が困るから。
あ、そうだ。
外には出かけられないけど…お家デート、できるでしょ？」
「…そんなこと考えてんの…ｹﾎｯ…。」
「俺が看病するから、そしたらデートできるし。」
そんな呑気なことを言っているサブローは、
私を軽々と横抱きにして布団の上へと移動させた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年1月11日 19時
