信長協奏曲 Part Ⅰ (ページ22)

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Aside

織田家家臣は木下藤吉郎や、明智光秀も加わり人数も増えていた。
だけど…戦はどんどん増すばかりで。

「おいっちゃん、大丈夫かな…。」

「A、戦に行ってくる。」

「本当に行くの？」

「行くしかないんだよ。」

「浅井さんと同盟を結んで、戦をしなくて済んだんじゃ…。」

「俺だってわけわかんねぇよ！」

…久しぶりに、サブローに怒鳴られた。

「私も戦に行く。」

「ちょっと待て、何言って…。」

「ほっとける訳ないでしょ！だって、あんなに…。」

仲が良かったのに…そう言いかけたけれど、やめておいた。
戦国時代には、裏切るのも付き物。

「Aは、ここにいろ。」

「サブ…信長様…。」

「殿、そろそろ。」

恒興様が傍で聞いていたため、言いかけたところを飲み込む。
こんなことなら、私が男だったら良かったのかも。

「A様。」

「…常、興様…？」

「殿は、必ず私がお守り致します。なのでご安心を。
そんな顔しないでください。」

「恒興様も…。」

私は、名前を呼んだあと少し下を向き再び恒興様の顔を見た。
少し不思議そうな顔をしていたけれど、言わなきゃ。

「恒興様も、どうかご無事で。」

「A様…戦から帰ったら、時間を頂けないでしょうか。」

「時間、ですか？」

「えぇ。大事な話がございます。」

「はい。待ってます。」

真剣な目で見つめられて、恒興様は少し会釈をして部屋を出た。
必ず戻ってきてください。

二人や家臣の皆も無事でいて欲しい。