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Aside
「ねぇ、もう１回教えて！探してた人の名前！」
「とよとみひでよしとか、とくがわいえやすでございますが。」
「ひでよし？いえやす？」
やっぱり、なんで台帳盗んだのかスッキリしたわ。
「サブロー！早く戻って！お願い！」
「わかったわかった！！戻るから！！」
「帰蝶様！待って！帰蝶様は勘違いしてたの！！」
「何の話じゃ？」
「まむしのおじさんわざとだったんです！
わざと帰蝶様のこと道具みたいに扱ってたんです！」
私は馬から降りて、帰蝶様の傍でそう訴えた。
「だって信長様のこと、偽物だって言ったんですよ？
本物の信長か、偽物の信長か、気にしてたんです！」
「なんの話しをしておるのじゃ？」
「おっさん、織田信長が天下を取るって知ってたんだよ！
だから帰蝶ちゃんのこと信長のところに送ったんだ！
信長なら帰蝶ちゃんのこと守れると思って！
でも偽物なら守れるわけない！
だから別の人のところに嫁に送ろうって。
そのために”豊臣秀吉”とか”徳川家康”探してたんだよ。」
「わけのわからぬことを言うな。だいたい、
わらわを守りたいなら美濃に置いておけばよかろう。」
「自分は色んな人に恨まれてるし、傍においておいたら、
帰蝶様の命、危険にさらすことになる。
だからおじさん、心を鬼にして帰蝶様を！」
「たわけたことを。」
「本当は一緒にいたかったんですって！！
おじさん昔と同じように、帰蝶様のこと大切に思ってたんです！」
「そんなわけあるか！今更そのような話聞かされても、
信じられるはずがあるまい！」
「美濃を譲るとまでも言ったらしいよ。
武田さんに頭下げて、美濃の国やってもいいから帰蝶を嫁にもらってくれって。」
「おじさん、そこまでして守ろうとしたんですよ？
大事な娘の命！信じてやってください。」
「そんなわけ、あるか。」
あのあと、義龍さんがおじさんの美濃を攻めると聞かされた。
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年1月11日 19時
