信長協奏曲 Part Ⅰ (ページ11)

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Aside

サブローが着物を選んでいる間、私は城内を歩き回る。

「広いな…迷いそう。」

サブローと信長が入れ替わったってことは、
本物の信長は今もどこかで過ごしてるってことでしょ？

だったらその信長を探し出して、
一体サブローと入れ替わって何がしたいのか問いただしてやる。

私はそれまで、死ねない。
いやまぁ…この乱世で生き抜く以上は、サブローを守る。

守って、天下統一を目指せさせる。
そして歴史だって、変えさせてやるんだ。

「…って言っても、どうすっかなぁ…。」

ドンッ

考え事をして歩いていたせいか、曲がり角で誰かにぶつかった。

「…つ、恒興様…！？」

「A様、お怪我は？」

「わ、私は大丈夫だけど…。」

転びそうになって、優しく手を掴まれた。

「す、すみません…。」

「A様、来たばかりで私からこんな頼みは申し訳ないのですが…。」

恒興様から未だに手を話されることなく、近い距離で会話。
何このドキドキした感情…いや、気のせいだ、気のせい。

「な、なんですか？」

「斎藤道三様の元へ、一緒に行って頂けないでしょうか？」

「…え？」

・

「ね！お願い！」

「なんで私が一緒に行かないといけないの？」

恒興様からのお願いの後、サブローに直接聞きに行った。
しかも私が斎藤道三の元へ一緒に行って何になるの？

「Aが一緒に行ってくれれば、心強いって！」

「もしかして…恒興様に言わせたの？」

「え？あ〜…。」

「…最低！頼み事も自分でできないなら、一緒に行ってやんない！」

「お願いだよ、A。この、通りだから！
行くのは明日なんだ！」

「…はぁ、、わかったよ、そこまで言うんなら。」

ほんとに、サブローのバカ。
自分で最初からお願いすればいいのに、なんで恒興様になんか。

そんなことよりも、明日が心配だ。