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Aside
「でもあの時、紙コップを取る順番は特に決まってなかったよ。」
「「確かにね。」」
「でも、上から何個目かに入ってる睡眠薬の入っていない紙コップを必ず取れる人間がいたの。
そしてそのことは、今みんなが持ってる紙コップが証明してくれる。」
「書いといたんだ。その紙コップに、"君がスコーピオンだ!!"ってね。
そう、つまり真犯人は黒河さんでもなくもちろん、蔵沢さんでもない。」
はじめちゃんと私は顔を合わせた。
「10番目の紙コップを最後に自然に紙コップを取ることができた紙コップをみんなに配る人間。」
私とはじめちゃんはある人物の目の前に立った。
「「つまり君だよ。
遊佐チエミ。」」
「君がこの事件の真犯人スコーピオンだ。
君は、あの時飲み物担当の雑用係という立場を利用したんだ。
だからいつも通り紙コップをみんなに配る側として、最後の紙コップを取ることができた。」
「ちょっと待て、金田一、A!カッターのことはどう説明する?
こいつはAのことをケガさせようとしたんだぞ。
映像だってある。」
「あれは単に女優の夢を壊された腹いせだろ?」
「はじめの言う通り、取り調べで全て自供したよ。
やり過ぎたことを心から反省してるって。
Aに謝りたいって。」
「えっ?」
「ごめんなさい。」
はじめちゃんを顔を見たあと、
黒河先輩と目が合って私は黒河先輩に笑顔を見せた。
…なんだ、そうだったんだ。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年2月27日 8時