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Aside
「恐らく、蔵沢君は死ぬ直前にこれを見ていたんだろうな。」
「このテープ見たいなのは?」
「これか?」
「うん。」
映写機のテープみたいなの、確かになんだろう?
「これは、スプライシングテープだ。」
「「スプライシングテープ?」」
「ほら、編集でバラバラになったフィルムをこいつ。
こいつ、これでつなぎ合わせる時に使う丈夫な粘着テープだそうだ。」
「何で、フィルムにくっつくいてたんだ?」
「それは、あれじゃねぇか。
こうやって、リールに付けるためじゃねぇか?」
「ねぇ、剣持さん。このフィルム見てもいい?」
「おう。」
剣持さんの許可を貰い、映研の皆も呼んでそのフィルムの映像をみた。
「これまでの一連の殺人は、僕蔵沢光の犯行である。
泉谷、真田、門脇、僕。
この4人のあの時の罪は、死んで償わなければならない。
一昨年の"殺人鬼スコーピオン"の撮影の時僕達は、
オーディションで一人のスタントマンを採用した。そして、
危険にシーンを嫌がる彼を脅し無理やり、ビルの屋上を飛ばせた。
彼は、突風にあおられ転落。彼は死んだ。」
「あの日僕達4人はひそかに彼の死体を埋めて、
殺人の事実を隠し通したがこの罪の重さに僕は、ずっと苦しんできた。
僕は、自分の死をラストにこの殺人劇をスタントマンだった、
本多影行に捧げる。」
佐木くんとはじめちゃんが読んだ映像文章は、
蔵沢先輩の遺書に見えたが私は何故か違和感があった。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年2月27日 8時