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Aside
「みんな、今後の活動について僕から話があるんだ。」
「ちょっと待って、その前にみんなちょっとした実験に協力してほしい。」
「実験？」
「この2つの線を飛び越えてほしいんだ。」
「何でそんなこと？」
「まぁいいじゃないですか、私も気になるので。お願いします。」
皆が飛んでくれて、それを私ははじめちゃんの隣で見る。
「みんな、何を急にって思っただろうけどこれは、
ある事実の証明のためなんだ。」
「事実の証明？」
「殺人鬼スコーピオンを見た時に一つ引っかかる事があって。
まず一つ目のシーン。」
「はい。」
佐木君に録画しててもらった映画をテレビで流してもらう。
「そして二つ目のシーン。何か気にならない？
ヒントは足。」
「踏み切ってる足が一回目と二回目では左右逆だよ。」
「そう。最初は左足で、次は右足で跳んでる。」
「それがなんだよ。」
「たまたま違ったんじゃないのか？」
「たまたま？違うな。佐木。」
「はい。」
「これはこの部屋に入る時に2つの線を跳んでもらった時の映像なんだけど。」
一通り皆の跳んでいる映像を流してもらった。
「みんなどっちも同じ足で跳んでる。」
「うん、そう。人には利き手と同じように利き足がある。
特別に意識しない限り普通は絶対に利き足で踏み切るもの。
まぁ、その方が力も出るからね。」
「"殺人鬼スコーピオン"の映画の中で真田さんは顔が見えるシーンでは全部、左足で踏み切ってた。でも一番、
力がいるはずのビルの屋上を跳ぶシーンでは右足を使ってる。
それは何故か？」
「あのシーンを跳んでる男が利き足が右の別人だからよ。
あの映画の参加者はホントは四人じゃなくて五人だったんじゃないかな。
もう一人は多分、危険なシーンを専門を演じるスタントマンとか。」
これは完璧な殺人事件。
このまま犯人をみすみす逃す訳にはいかない。
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作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年2月27日 8時
