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Aside
もう一度映画を見直し、例の飛ぶところのシーンになった。
「あっ…。」
「そうか、だから最初に見た時引っかかったんだ。」
部室の明かりがついた。
「あれ?」
「用が済んだのなら僕はこれで。」
「どこ行くんだ?」
「真田がこんなことになってしまったので脚本を書き換えないと。」
「蔵沢君、部員が2人も亡くなってるんだぞ。
この期に及んでまだ撮影続ける気か?」
「やめるわけにはいかないって言ってるだろ!
僕はこの映画にかけてるんだ。誰にも邪魔させない。」
「「先輩/はじめちゃん!」」
はじめちゃんと蔵沢先輩の後を私も追った。
「蔵沢先輩!先輩!」
「何か隠してることがあるんじゃないですか?」
「ちゃんと話してくれないなら、
これ以上Aを撮影には行かせられませんよ。」
「はじめちゃん…。」
「ただの双子の兄妹じゃないってわけか。」
「えっ…?」
何言ってるの…だって、はじめちゃんは美雪ちゃんが…。
蔵沢先輩の勘違いだよね?今の言葉。
「あの映画の撮影で何があったんですか?」
「なぁ、君たちのおじいさんは金田一耕助なんだろ?」
「はい?」
「だったら分かるだろ?僕の苦しみが。」
「別に俺、じっちゃんのことは何とも。」
はじめちゃん…私は、いつも思ってる。
私が居るだけで、はじめちゃんの足でまといになってるんじゃないか。
私が、はじめちゃんと一緒に居ていいのかって。
「まぁ確かに、じっちゃんのことは誇りに思うけど俺は俺っすから。」
「君は気楽でいいよな。」
バタンッ
「ねぇ、はじめちゃ…「いや〜ビビった。」」
「はじめちゃん!」
「なんだよ、A。」
「ううん、なんでもない…。」
「行こっか。」
「うん。」
さっきの言葉の意味が聞けなかった。
私が思ってる気持ちとはじめちゃんが思ってる気持ちが違かったら、
この関係がきっと壊れちゃうと思ったから。
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作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年2月27日 8時