File136 ページ46
Noside
相変わらず言い合いは収まらなくなり、
「とっとと出て行きやがれ!この天然くそパーマ野郎!」
「二度と戻ってきてとか言うんじゃねぇぞ!
バカA!行くぞ、萩!」
「あ、ちょっと陣平ちゃん!?」
結局二人はこの部屋を出て行った。
「あのぉ…大丈夫なんですか?」
「えっ?
あぁ…ごめんなさい、見苦しの見せちゃって…。」
Aは少し悲しい笑顔を見せて頭を搔く。
「しのぶれど色にいでりけり我が恋は、
ものや思ふと人の問ふまで…。
(隠して隠しきれない恋の歌…か。
陣平…。)」
Aの脳裏には先程まで喧嘩をしていた松田の顔が浮かぶ。
「百人一首に詳しいんですか?」
「詳しくはないけど、なんとなくならわかるよ。
まぁ…元クイーンの池波静華さんくらいは知ってます。」
「あらま、光栄ですわ。」
一方同じ頃、部屋を追い出された松田と萩原は廊下に立っていた。
「どうすんだよ、陣平ちゃん。
ありゃーA、相当怒ってるぞ。」
「知らねぇよ、こっちはこっちで事件調べるしかねぇだろ。
かるた札の意味がわかんなきゃ犯人捕まえられねぇんだからよ。」
「まぁそうだけど…Aは?いいの?」
「あいつはあいつで調べんだろうよ。
最近のAを見てると思い出しちまうんだよ。
アイツの両親が死んだ事件はまだ解決してねぇ。
Aはここ最近無理して笑ってることも増えてやがる。」
「陣平ちゃん、ほんとわかってるのに素直じゃないよね。」
「あん!?
大体アイツは何もかも抱えすぎだっつーんだ。」
「まぁそのお姫様を護るのが、
「…おい萩、テメェぶん殴るぞ。」
「ごめんごめん。」
ふざけ半分で言った言葉に松田は右拳を握っている。
いつも喧嘩ばっかりだがAのことを一番よくわかっているのは、
この二人かもしれない。
627人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
反町ゆうり(プロフ) - るるさん» ありがとうございます!ハロウィンの花嫁!わかりました!考えてみます! (2022年5月18日 22時) (レス) id: 9b92789279 (このIDを非表示/違反報告)
るる - とても面白い作品で、楽しく読ませてもらってます。ハロウィンの花嫁を書いて欲しいです。 (2022年5月18日 22時) (レス) @page50 id: 3da7b1202f (このIDを非表示/違反報告)
反町ゆうり(プロフ) - セレナさん» ありがとうございます!ハロウィンの花嫁考えてみます! (2022年5月18日 21時) (レス) id: 9b92789279 (このIDを非表示/違反報告)
セレナ(プロフ) - 凄く楽しいです🥰続きが気になります。ハロウィンの花嫁を書いて欲しいです (2022年5月18日 21時) (レス) @page50 id: 042df472d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:反町ゆうり | 作成日時:2022年5月6日 18時