File0-65 ページ19
Youside
今卒業式の最中で、私の席は松田の隣。
私の左隣には諸伏が座っている。
「諸君！卒業おめでとう！君達はこれから…
幾多の困難に直面すると思いますが…
ここで学んだ精神を胸に秘め…。」
「ところで陣平ちゃん…さっき制服のままでどこに行ってたんだよ？」
「ああ…景光の旦那が兄貴への手紙に写真入れてぇつーからよ…
零と一緒に撮るの付き合ってやったんだよ！」
「近所のコンビニでインスタントカメラを買って撮ったんだ…
官帽を被って！
もちろんこの儀礼用の装飾は外したけどね。」
「でも松田…その手紙を出す前に写真を確認するって一度開けてたけど…
ちゃんとポストに入れたんだろうな？」
「おうよ！出しといてやったぜ！
この通り…男前にしてな♡」
そう言って松田が画面を見せたのは、ヒゲ姿の諸伏だった。
「ヒ、ヒゲを描き足してやがる！？
警察官になりたてでヒゲはありえねぇだろ！？」
「え”ー…イケてると思ったんだけどよ…｡」
「確かに、意外と似合ってる…。」
「だろ？」
「松田…お前なァ…。」
「確かにヒゲ面も悪くないな…。」
「「え？」」
私はそう言う諸伏に思わず二度見してしまった。
「何？」
「いや、変わったなァって…。」
「両親の敵を確保したからな！」
「一皮むけたってヤツなんじゃね？」
「そうか？」
一皮むけてないのは、私だけかぁ…そう思ってると、
ポンッ
私の頭に優しく置かれた大きな手は隣に座っている松田の手だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 499人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：反町ゆうり
| 作成日時：2022年5月5日 7時
