自×少女【そらる】【まふまふ】

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そらるside




泣きながらココアを飲んでいる妹の頭を優しく撫でる。




「泣くか飲むかどっちかにしろよ」




笑いながらそう言うと、ぐしっと目尻に浮かんでいた涙を拭い、またココアを飲み始めた。
まだ熱いそれは、猫舌のAには辛かったらしい。
ずず...と口に含もうとするも、直ぐにぎゅっと目を瞑ってカップから口を離してしまう。





その動作がなんとも愛らしく、写真に納めたい衝動に駆られるがなんとか抑えた。
耐えた俺を誰か誉めてほしいものだ。




その時、ピンポーンというインターフォンの音がした。
大きい音が苦手なAがびくりと肩を揺らす。




「まふかな」




立ち上がって玄関へ向かい、ドアを開けるとそこには何やら箱を持ったまふが満面の笑みで立っていた。
箱には、Aが大好きな穴場のケーキ屋の店名が書かれている。




「こんにちは！Aちゃんにケーキ持ってきましたー！」




まふの声が聞こえたのか軽い足音が聞こえ、Aがひょこりと顔を出した。
そしてまふの姿を確認すると、パアッと顔を輝かせてまふに抱き着いた。




「...っ待て待て」




ちょっと見逃すことが出来ないんだが。




「なんですかー、そらるさんは頭固いなぁ」




「兄ぃは認めません」




そっとAを引き寄せると、あーっと二人から残念そうな声が聞こえた。
...まるで俺が悪者みたいじゃないか。

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