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天月side




「A!!」



ガクンと前のめりに倒れたAちゃんを彼方さんが咄嗟に支えた。
彼の顔も真っ青だ。





「彼方さん、少し休んでください。顔、真っ青ですよ...」




「いや、俺は大丈夫。...俺なんかより、Aの方がしんどいんだし休んでられねぇよ」





ありがとな、と弱々しく笑う彼に胸が苦しくなった。
どうしてこの二人にばかり辛いことが起こるのだろう。
...もしこの世界に神様が居るのならば、俺は神様を恨むだろう。
この二人を苦しめる神様なんて居なくなってしまえば良いのに。




「それより、ごめんな。二人も捲き込んじゃってさ...」



「いえ、捲き込まれたなんて思ってないですよ。Aちゃんのことは、俺も大事ですしね」




「月弥君の言う通りです!大体、彼方さんは一人で溜め込みすぎなんですよ!少しは僕達の事頼ってください!」




真冬がぷんぷんと怒りながら言うと、彼方さんはそうだな、と小さく笑った。




ピロン




るす彼方さんの家公開されてるんやけど何か知ってる!?




「...公開、されてる?」





友人の茜沢光 アカネサワヒカル からLINEがきた。
そこに添付されていた写真には、今まさに俺達が居る彼方さん宅が写っていて。




ピンポーン




来客を知らせるインターフォンが鳴る。
彼方さんの顔が強張った。
ちらりとカーテンの隙間から外を覗くと、スマートフォンを持った数人の人達が家の前に立っていた。
きっと、これからもっと増えるのだろう。




「嘘だろ」




ピンポーン




また、音が鳴る。
鳴り止まないそれが俺には悪魔の笑い声に聞こえた。




悪魔を倒すためには強いパーティに武器がいる。
けれど、勇者を待っていても何も始まらない。
村人Aだって戦える。
Aちゃん【お姫様】を守るために敵なんてぶっ飛ばせ。
...勇気を出さないと誰も守れやしないんだから。




俺は、玄関の扉を静かに開けた。

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Roki(プロフ) - すごく面白いです!めっちゃ私の好み(*´▽`*)更新楽しみにしてますq(*・ω・*)pファイト! (2020年7月8日 22時) (レス) id: 340d402439 (このIDを非表示/違反報告)
おしゃしみ(プロフ) - ちょっと待て。今2020…最終更新何時だよ…続きは…?(´;ω;`) (2020年4月28日 0時) (レス) id: c250589637 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア - 続き楽しみ見たくて仕方ない (2018年9月28日 22時) (レス) id: 207c22caf3 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2018年6月9日 3時) (レス) id: 3a43919dfe (このIDを非表示/違反報告)
ころんぱんな - めちゃめちゃ面白いです!!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 3時) (レス) id: 495e723ea6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月1日 5時

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