紅蘭の舞姫と獣は愛し合う【神威】 (ページ7)

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小型船から出てきた私の姿に団員の人達はみんな口をポカーンと開けていた。

団員｢…Aさん…ですか？！｣

団員｢お、おい！団長呼んでこい！！｣

『えっ』

慌てて団長の元へと向かう団員の肩を掴み、｢待って｣と言うと、団員は何故かと問いてきた。だって、そりゃ…

『…驚かせたいから…私1人で行かせて。』

自分の言葉に、鼻で笑いそうになった。

1番今驚いているのは私じゃん…。

･

団長のいる場所を聞けば、団員達は快く口を揃えて｢書庫にいる｣と教えてくれた。それを聞いてまた仕事もせずにぐーたらしてる事が読み取れる。

なんだ、全然変わってないじゃない。

1年前の記憶を思い出しながら書庫への道を辿ってゆく。

ここは団長が壊した壁だ、とか
よくここら辺で報告書をぶちまけていたなぁ、とか

そんな思い出に浸っていたからかもしれない。

･

･

｢… …A？｣

名前を呼ばれるまで

私はその人に気づかなかった。