おはよう人間【鬼滅の刃】

ここ ページ9

握られている童磨の手を解き、ポークカツレツが置かれた場所へと駆け寄る




今すぐ口に入れたい

ずっとお腹が空いていたし
私の望んだ食べ物がそこにあって
足りなかったら言っていいと言ってくれた



もう宗教の話とかどうでもいいや………

取り敢えずお腹を満たすのが最優先よ!!






『いただきまーす!!!』






一口食べればいい音を立てる私の好物

いつぶりなのかは知らないけどなんだか懐かしい感覚がする


　


サクサクで美味しい……!!!


添えられた温野菜も美味しい
一緒に運ばれたお米も炊きたてで美味しい
　



久しぶりに食べる感覚が本当に美味しくて
スルスル食べ物が喉を通っていく




この場所は裕福だなぁ………
お金持ちだ










「そんなに急いで食べなくても誰も取らないさ!」




『ん……
急いでるつもりはないのですが………
でも、本当に美味しくって!沢山食べれちゃいます!!』




「…ハハハハ!!そういう事かい!
随分食いっぷりがいいねぇ
嫌いじゃないぜ、そういうの
こっちまで腹が空いてきそうだ」








あ、そうだった
今見られてるんだ。食べてる所

もっと綺麗に、落ち着いて食べなきゃ








『すみません…汚い物を見せてしまって……』




「よいよい!言っただろう?
食いっぷりがいいのは嫌いじゃない
食べ方など気にせず、沢山食べるといい
そんな事をいちいち気にしていたら腹は満たされないままだぜ?」



『……………はい』







そうは言ってくれたけど……
お言葉に甘えようと思ったのに


何故か体が震えて、悪寒がした

背中がぞわぞわする


何なのかわからないな
なんでこんなに体が動かないんだろう

まだ食べたいのに
こんなに美味しいものが目の前にあるのに


今は、口に入れたくない








『あ……そうだ…
童磨様はお食べにならないんですか?』




「んー?俺はいいよ
腹が減ってもAちゃんと同じ様な物を口にすることは出来ないだろうねぇ」




『………………ッ
すみません………………………』




「えぇ!どうして君が謝るんだい!?
何も悪いことはしていないじゃないか」




『………………』






うーんと困ったように扇子で口元を隠す
どうしたものか……と呟きながらじっと私を見つめる







どうしよう。

もし、私の食べ方が汚いから食欲が落ちているんだったら

それは私のせいだ


だけど言葉に出すと………









「何か辛いことがあったんだね……
俺に話してごらん」



『………話を…聞いてくれるんですか?』







二つ返事をしながら両手を広げた童磨は
今だけ仏様のように見えた

とお→←やあ

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