小さな石ころは戦場の中で恋をした【時透無一郎】

時は流れて ページ22

『今までお世話になりました。お体大事にしてください』





時は流れて現在産屋敷邸の玄関にいる

あの後、時透君の状態はいい方向へ向かっていき完治した


看病も終了したということで私は帰ることになった

時透君としばらく会えなくなるのは少し寂しいけど、必ずまた会えるはずだから気をしっかり持とう

……多分、忘れちゃってるだろうけどなぁ…





「うん。無一郎を看病してくれてありがとう。Aも元気でね」


『はい!』


「…そうだ、無一郎はAに言いたいことはないかい?」


「僕は…………」





虚ろな目をした時透君が口を動かす




「特に。もう約束事だってしたし、知りたかったことも全部聞いたので」


「そうか。私が思っていたより2人は仲良くなったんだね。嬉しいよ
……A、そろそろ迎えが来るはずだから。行ってらっしゃい」


『はい!では。』


「またね」


『うん!またね!』





一礼し、門へ向かう


“またね”と言ってくれて嬉しかった
自然と口角が上がってしまう

また会うには最終選別を無事突破しなければならない


死なないよう、帰ってからも鍛錬をしなければ



油断禁物だ

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