血まみれの少女 ページ3
『…うっ………うぅっ…ぐすっ………』
私、私、私、
お母様もお父様もお姉様も
みんなみんな亡くしてしまった
お姉様…あんな事を言うなんて。お姉様が嘘をつくなんて。ありえない
きっとお母様にそう言うように脅されていたんだわ
そうでなきゃ…私の心が持たない
私、これからどうしていけばいいの
大切な人を失って……他に大切な感情もなくしてしまった気がする
…お腹が空いた。草履も履いていないから足が痛い。眠気もある。自分から血の臭いがする。父の叫びが頭にこびりついて離れない。
…………家族の死んだ顔が、私の頭から離れない。
どうする?なにが?これからのこと。
うーん、家に戻りたいけど、きっと今は警察とかいるし行かないほうがいいと思うよ。何で?事情を聞かれるから。答えればいいじゃない!いいえ、それはできない。どうしてよ?犯人の男、あの男は私が殺してしまった。日に焼けて、なくなってしまったの。正直に話せばいいじゃないの!無理よ、だれも信じない。どうして?おとぎ話は子供しか信じないから。そう?そう。それに話に行ったとして、私がまっさきに疑われるわ。なんで?血まみれだもの。それに私は血縁者だし。ふーん、家族って少し面倒くさいのかもしれないね。
自問自答を繰り返しながら歩く
目的地はない。じっとしているのもなんだか違うから取り敢えず歩いた
しばらく林を歩いていると一人の男の子が木陰で泣いているのを見つけた
『………ねぇ』
「うわっ!臭い!!鬼だー!化け物ー!!!」
『…まって……!!』
「うわぁぁぁぁあ!!!」
きっと彼は迷子だったのだろう
一気に街の方向へ駆けていった
別の方向に行かなくてよかったと安心していると、足元に何かが落ちているのに気付いた
『…巾着袋……?小銭が沢山…これ、あの子の……』
ゴクリとつばを飲んだ
あの少年には悪いが今のAにはこれがないと生きていけないと言える
ゆっくりと小銭の枚数を数えた
『19……20……21……結構ある…そうか、この辺はお金持ちが多いから……』
あの少年はもう見失った
追いかけて渡すことはできない
巾着袋を握りしめる
使うか、否か
一粒の汗が頬を伝った
「そのお金、どうするつもりだい?」
『……っ!?だ、誰っ!!』
「ごめんね。驚かせるつもりじゃなかったんだ。辛いね。私は君の味方だ。…君はお金よりも大切なものを知っているから、躊躇う気持ちが現れるんだ
それは君を大きく変えるだろうね」
『あっ、貴方は…』
その穏やかな声の持ち主は産屋敷と名乗った
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優衣(プロフ) - 後半食べ物の事ばっかりなの可愛い(ノ≧▽≦)ノ続き楽しみにしてます✨ (4月2日 11時) (レス) @page25 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
こなき(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます!頑張ります(ᗒᗩᗕ) (4月1日 20時) (レス) @page24 id: cb4088d2da (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 夢主ちゃんのお茶渋かったんだ🍵続き楽しみにしてます✨ (4月1日 18時) (レス) @page24 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
こなき(プロフ) - 優衣さん» ありがとうございます(ToT)更新頻度低くて本当ごめんなさい😖なのにまだ見てくれてることが嬉しすぎて泣けてきます…アリガトウ!!! (3月11日 21時) (レス) id: cb4088d2da (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 無一郎のまたね(⌒0⌒)/~~めっちゃ可愛い(ノ≧▽≦)ノ続き楽しみにしてます✨ (3月11日 21時) (レス) @page24 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狐那菊 | 作成日時:2023年9月22日 23時