39話 ページ40
貴「団長!そんなこと言っちゃダメですって!!」
大泣きをしている男の子を抱っこして慰めるA。ジャックは少し、しょんぼりとしている。
子供「ｲｯｸ…あの人だれ？」
貴「あー、えっと、とっても優しいんだよ?お姉さんのお友達なんだ」
子供はジャックに警戒心MAXだ。相当怖かったんだろうな。Aの服を掴んでいる力がとても強い。
ジャック「ｹｯ…ガキは苦手なんだよ」
貴「ｱﾊﾊ…一緒にお母さん探そうね」
Aは男の子を抱えたまま母親を探している。きっと母親もこの子を探しているに違いない。
ジャック「…(新鮮だな…)」
貴「?団長?どうかしましたか？」
ジーッと子供を抱っこしているAを見ているジャック。クルッ彼の方を向いて、興味深そうな顔ををしている彼をジーッと見ている。
ジャック「いや、なんでもねぇ…」
貴「？」
ジャックはプイッとそっぽを向いてしまった。男の子はジャックのことを指さしてAに質問した。
子供「お姉さんは、この人と"恋人"なの?」
貴「!な、何?!」
子供の好奇心とは怖いもので疑問があったら何でも質問する。Aは顔を真っ赤にしながらアタフタとしている。
ジャック「かっかっ!分かってんじゃねぇか、坊主」
貴「!?」
ジャックは嬉しそうに男の子の頭を撫でながら笑っている。Aは恥ずかしそうに下を向いたままだ。
子供「!お母さんだ!」
男の子は母親を見つけたのかAの腕から降りると母親の元に駆け寄った。
母親「ありがとうございます!助かりました!」
母親はぺこりぺこりとA達に頭を下げている。Aも男の子が母親と無事に会えることが出来て心から安心した。
ジャック「かっかっ!じゃあな、坊主」
貴「もう、迷子になっちゃダメだよ？」
無事に迷子の男の子を母親と会わせることが出来た。最後の方は、ジャックも男の子と普通に話せていたのでよかった。
ジャック「恋人だってよ」ﾎﾞｿｯ
貴「!?…そ、そうですか…」
ジャックはAの耳元で呟くように囁いた。いつもならこんな風に話したりはしない。
ジャック「かっかっ!…俺はいいんだけどな」
貴「!?…ず、ずるいです…」
恋心を抱く相手にこんなことを言われたら、変に期待してしまう。Aは顔を赤くしながら下を向いている。
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作者名：唐墨 x他1人 | 作成日時：2018年9月26日 0時
