334*『ラストゲーム5』 ページ34
Aside
卓さんのバントで、私は3塁へ。
大基が打席へと向かう。
登場曲は…
嵐の[感謝カンゲキ雨嵐]
「絶対打つから。絶対勝とう」
目があって深く頷いた大基の言葉が心に届いた気がした。
第1球目。
バットを振り抜き、康晃さんのストレートを芯で捕らえた大基。
打球はぐんぐん伸びて、センターに突き刺さった。
4万人のファンの大歓声。
弾丸ライナー。
逆転ホームラン。
ドームに[北の国から]が響く。
ホームベースを両足で踏み、大基を待つ。
大基はホームベースを駆け抜けて、私に飛び付いた。
26「よっしゃぁ！」
『っしゃ！さすが大基っ！』
2人でベンチへ戻れば、揉みくちゃにされる大基。
26「少しは彼女の引退試合に花を添えられたかな？」
『大基、ありがとう！』
9回表
ピッチャーはこのままちょく。
キャッチャーポジションまでも、試合中はこれが最後。1歩1歩噛み締めながら走る。
【ファイターズピッチャーの交代をお知らせします】
まさかのアナウンスに、転けそうになる。
あれ？ちょくじゃないの？
【石川直也に代わりまして、】
少しのためがあってから…
【玉井】
っっっ！
【ピッチャー 玉井 大翔】
【背番号 54】
ベンチを見れば監督がニヤリ。
ベンチから大翔くんが出てくる。
登場曲は…
♪〜まっすぐな瞳で弱音はかないあなたはあの日から目指した道を〜
西野カナさんの[Alright]
ずっと見てきてくれた大翔くんからの、この歌に泣きそうになって、マウンドに行く。
『聞いて、ないよ』
54「まだ泣くなよw」
『だって…今日の、調子は？』
いつもなら、次に投げるピッチャーの様子をブルペンまで見に行くけど、この人投げるのは知らなかったから行ってない。
54「過去一番。ほら、戻って」
ポジションまで戻されて、キャッチボール。
確かに過去一番良いかもしれない。
先頭打者はショートフライ。
2人目はサードライナー。
そして、最後は5球目。
大翔くんのストレートは私のミットに収まった。
「ストライク、バッターアウト！ゲームセット！」
札幌ドームの大歓声。
私はしばらく立ち尽くし、目を閉じる。
これも、全部最後…
顔を上げれば、大翔くん、キヨちゃん、泰示さん、遥さん、剛さん、賢介さん、卓さん、そして大基が待っていてくれた。
私はマスクを外してマウンドへ行く。
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優姫(プロフ) - 蛍兎さんありがとうございます！岡本選手はまだお若いので驚きました(笑)他球団選手には疎い者で…こんな作者ですが、これからも『砂時計〜僕らの時間〜』をよろしくお願いします！ (2019年3月16日 22時) (
レス) id: 4cd73a8a76 (このIDを非表示/違反報告)
蛍兎(プロフ) - こんばんは！G岡本選手は既婚者です (2019年3月16日 21時) (レス) id: 49bf26441a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優姫 | 作成日時：2019年2月10日 16時
