292*『ちー様』 ページ42
上沢side
パシンッ
パシンッ
ボールがキャッチャーミットに収まり、
乾いた音がアリゾナの空に響く…
どうも。上沢直之です。←
まぁ、僕の話なんかどうでもいいんですよ。
それより、観てください。このブルペン。
え？観れない？あ、そうか。失礼しました。
ブルペンで監督、コーチ、選手、報道陣に熱視線を向けられながら投げているのは金子弌大さん。
20「すっげぇ」
30「オーラが違うよね」
思わず感嘆の声をあげる皆。
34「(ぽかーん)」
…失礼。この子は違った。口を開けてボールの行方を見る堀きゅん。可愛いなw
『はぁ、はぁ、間に合った』
34「あ、お姉ちゃん」
Aちゃんが息を切らしながら俺らのとこ来て、瑞輝の隣に座った。
15「どこから来たの？」
『どこかな？向こうの方です』
指差した先は確かに“向こう”だけどw
『野手の練習を観てたんです』
この地は広いから移動も一苦労。
34「で、金子さんを観に来たの？」
『うん。ちーさんをバッチリ観に来た』
そう言って金子さんを観るAちゃん。
『かっこいい』
34「ですね」
15「彼氏いんのに大丈夫か？」
『さぁw』
そんな話をしていたら金子さんがブルペンキャッチャーと話していた。
そして、俺らの方に歩いて来て、Aちゃんの前で止まった。
19「名前)ちゃん鍛えてる？」
『まぁ、それなりに』
19「ラスト5球、付き合ってくれない？」
『へ？』
いいからいいからと多少強引にブルペンキャッチャーをやらせる。
そして5球受け終わったAちゃん。
『き、緊張したぁ、』
25「どうやった？」
『凄かったです。ちー様かっこいいです』
19「ちー様？w」
『ちー様は素晴らしい。ちー様がフガイターズに…凄いことだ』
すっかり金子弌大さんのファンになったようですw
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作者名：優姫 | 作成日時：2018年12月28日 23時
