254*『先輩命令』 ページ4
Aside
『沼ちゃん、』
45「(ビクッ)」
『…隣座るね？』
45「…『ごめん。拒否権ないから』
私が沼ちゃんの横に座って、大基が前に座った。
『ねぇ、私なんかした？』
45「…」
こんな手は使いたくないんだけど…
『沼ちゃん、先輩命令。答えて。私、沼ちゃんになんかした？』
45「(フルフル)」
沼ちゃんは首を振る。
『じゃあ…「(ガタッ)…すいません」
沼ちゃんは立ち上がって、トレイを持って移動した。
『…本当に、嫌われたのかな？』
26「それは違うよ。絶対に…」
『とりあえず、沼ちゃんが食べ終わるまで待つか…』
(ガッ)
沼ちゃんが食堂を出るとき、私は沼ちゃんの腕を掴んだ。
45「…離してください」
『嫌だ』
45「え？…」
ようやく、沼ちゃんが私と目を合わせた。
『沼ちゃんがその態度を改めるまで離さない』
『私に、話を聞かせて』
45「…(こくん)」
『ここがいい？部屋がいい？』
45「部屋…」
『ん。大基いても良い？』
45「(こくん)」
『じゃあ、行こう』
61「Aちゃん！」
『ん？』
10「これ」
そう言って2人がくれたのは5つのボイスレコーダー。
『何でこんなにあったの？』
10「記者の皆さんが貸してくれた」
61「ちゃんと返します！って言ったら貸してくれました」
『そっか(笑)ありがとう。5つか。じゃあ、姫ちゃんと優心も持ってて』
2つは2人に返して、沼ちゃんと大基と部屋に行く。
『沼ちゃん。座って』
45「…はい」
『沼ちゃん。私はこれから、沼ちゃんがここ2、3日隠し守ってきたことを無駄にしちゃうのかもしれない。でも、話して？何があったの？』
45「…林さんが」
『かのさん？』
いつもお世話になっている女性球団職員の林かのさん。
沼ちゃんの話をまとめると…
私が鎌ヶ谷に来た翌日、26日。かのさんと会ったらしい。
すると、“Aちゃんと親しくしたら、Aちゃんの人生を終わらせる”と、脅された。
そして、私を避けるようになった。
話し終わって、沼ちゃんは泣いた。ごめんなさい、ごめんなさいって。
『沼ちゃん…』
45「Aちゃんを、守りたかった。自分が、Aちゃんと話さないことで、Aちゃんが幸せなら、それで…」
『・・・』
何も言えなくて、ただ抱きしめた。
45「ごめんなさい…」
『ありがとう、話してくれて。でも、私は、かのさんに何かされそうになったら味方になってくれる人達がいる。沼ちゃんにもいるでしょ？』
45「(こくん)(涙)」
『でも、ありがとう。私を守ってくれて。嬉しかったよ』
45「(涙)」
よし、最後の仕事に取りかかりますか。
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作者名：優姫 | 作成日時：2018年12月28日 23時
