さんじゅうさん ページ37
あまりの寝苦しさに違和感を覚えて目を開けた。目を開けたと言っても、蝋燭は寝る前に消してしまったから部屋の中は真っ暗で、そのくせ今日は新月なので障子から明かりが漏れることも無い。というわけで私の目は勿論何も見えてない。
寝直すには多分遅い時間で、起きておくには早すぎる時間だろう。何日も時計のない生活を送っていると何となく今がどれくらいの時間なのかが分かってくるのだ。
弥彦くんは、と考えて今日は実習だったことを思い出した。記憶力が悪いのもいつもの事だ。
ふ、ともう一度違和感を感じる。歯磨きをサボったことでも、風呂に入って無駄にサラサラな髪の毛とかのことでもない。
どうして私は起きたのか、ということだ。
そりゃあ寝苦しくて起きたのだからそれが原因だけれど、何か違う。決定的に違う。
そう思った時には、私は既に敷布団から抜け出していた。暗闇で誰かが怯むような気配を感じた。
そして、一瞬の肌寒さと左腕に走る熱いような痛み。
「いっ、痛っ」
あまりの痛さに思わず声を出してしまった。しまったと思ってももう遅い。口を抑えかけた右手が所在なく宙を掻いた。
相手はきっと私の声を聞いた。
きっともう、私の位置を知ってしまったんだろう。
「うごくな」
ひんやりとしたものが首に当てられて、ひゅっと、喉がなった。明かりがあれば私の顔はさぞ間抜けに歪んで見えたと思う。感謝すればいいのか悪態をつけばいいのか。
首に刃物を当てられて、ギリギリと音がなりそうなほど左腕を掴まれる。ご丁寧に相手に傷をつけられて血が出ているであろうところだった。
「はな、離してっ」
全く同じような展開を昼にもした。つくづく私はこの学校の生徒から嫌われているらしい。弥彦くんに殺されないだけマシだったということにやっと気づけた。
神様ありがとう、分かったから、早くこの状況をどうにかして。
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セナ(プロフ) - Ry osdさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!励みになります!今はスマホの方で書いているのでIDが違います。ややこしくてすみません。 (2020年3月29日 3時) (
レス) id: 9a1a35c746 (このIDを非表示/違反報告)
Ry osd(プロフ) - ゆっくりでいいので楽しみにしてます。 (2020年3月29日 1時) (レス) id: d9cf167b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：利世 x他1人 | 作成日時：2020年2月22日 14時
