2長編になりそうなネタの冒頭を書いてみた【色々詰め】 (ページ9)

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『天竜人様の御膝元だぞ。膝をつけ。一般人』

「うるせぇ！お前も一般人だろうが！！それなのに、なんで…なんで天竜人に味方してんだよ！？」

女は溜息を一つ吐くと、天竜人の方に向き直った。

『すみません、私はこの一般人を教育してから行きます。オークションの時間が迫っているので先に向かって頂けますでしょうか？』

「嫌！Aも一緒に行くのあます！」

『すぐ追いつきますから』

シャルリア宮と呼ばれた天竜人は納得できないという顔で男を睨む。そして＿＿

「お前が邪魔するのが悪いのであます！私が殺してやるであます！」

男に拳銃を向けた。

撃たれる！
そう思い、民衆はその惨状を想像して目を背ける。
__が、一向に発砲音は聞こえてこない。

恐る恐る目を開けると、天竜人の構えた銃をあのスーツの女が素手で掴んで静止していた。

この女はやっぱり味方なのか！？

そんな希望は次の瞬間崩れ去ることになる。

「ぐぁっ！！っあああああがぁあ！！？」

周囲に響くのは骨が砕ける音と男の叫び声。

いつの間に移動したのか、女は男の背後にいた。
そして

男の膝裏に蹴りを叩き込んだのだった。

『膝をつけないのなら、つけさせてあげる』

両足を支える膝が機能しなくなった男はそのまま倒れ込んだ。

女は倒れた男を一瞥すると何事もなかったかのように天竜人の下に戻って頭を下げた。

『すみませんシャルリア宮。わざわざ貴方様の銃を使わせるなんて申し訳無くて出過ぎた真似を』

「そんなの気にしなくて良いあます！でも邪魔者は片付いたからこれでオークションに行けるあますね！」

『えぇ、お供します』

そう言うとシャルリア宮はボディーガードの手を取った。

「お父様、Aも私の隣でオークション見て良いでしょう？」

「あぁ、構わんよ」

「ふふ！A！どんな人間が売られるか楽しみあますね！どんな飼い方が良いかオークション中に一緒に考えましょ！」

猟奇的な会話。

天竜人という立場だからこそ普通に行われるその会話に、一般人であるはずのその女は笑って応えた。

『気に入る人間がいると良いですね』

あまりにも強い衝撃で
天竜人とそのボディーガードが去った後も
膝をついた民衆達はしばらくその場を動けなかった。

そして、3億の賞金首であるルフィも

民衆達とはまた違う衝撃で動けなかった。

「何で…A…？姉、ちゃん」