2長編になりそうなネタの冒頭を書いてみた【色々詰め】 (ページ11)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:16,141 hit

・ページ11

＿＿＿先程まで人で賑わっていたヒューマンオークション会場は、今はガランと寂しそうな状態だ。

麦わらのルフィが天竜人__チャルロス聖を殴ったからだ。その父であるローズワード聖と妹のシャルリア宮も、彼等の攻撃によって気絶。

他の参加者は天竜人に手を出したことへの報復を恐れて会場から逃げ出した。

麦わら達にとって残す敵は1人だけとなっていた。
ゆったりと椅子に座っている黒いスーツの女。
Aだけ。

『久しぶりだねルフィ』

間違いであって欲しかった。

大好きだった姉が、まさかあの天竜人の味方になっていただなんて。

「…っA！お前っなんで！」

『なんで天竜人の味方をしているのか？』

まるで心を読んだかのように被せてきた。

Aは笑って答える。

『強者につく。それが一番生きやすいからだよ』

「何でだよ！こんな奴らに媚びなくても、姉ちゃんはめちゃくちゃ強かったじゃんか！俺やエースが全然勝てなかったくらいに！」

『強さって物理的なものばかりじゃないからね』

まぁ、でも久しぶりに会えて良かった。

そう言って出口へ向かおうとしたAをルフィが止める。

「話は終わってない！お前が変わっちまったのは分かった！なら、昔のお前に戻すために俺の船に乗せる！」

『…変わってないなぁ。ルフィは』

「変わったのはAだけだ！」

『私も変わってないよ。今も昔もね』

ヒュッ

何かが風を切る音。

それがAの脚だと気づいた時には、もうルフィは床に倒れ込んでいた。

ドゴォオオオオ！！！

「っ痛ぇ！？俺ゴムなのに！」

『覇気はまだ使えないのかな？じゃあまだ私には勝てないよ』

君の船に乗るのはもっと先になりそうだね

そう言うと、倒れている天竜人をヒョイッと軽く拾い上げて歩き始めた。

『あぁ、そうだ。ルフィに一つ忠告』

扉の前でくるっとルフィの方を向いて、口を開く。

『エースのことは心配しなくて良い。ていうか足手纏いだから何もしないでね』

「エース…？エースがどうかしたのか？」

じゃ、伝えたからね
そう言い残して裏口から出て行った。

そう、エースの公開処刑については海軍とごく一部の世界政府組織しか知らない。

Aは独自のルートでその情報を掴んでいたのだ。

『絶対に私が救うからね。エース』

そして、全ての人が笑顔で過ごせる世界を作るんだ

終