49、白馬の騎士ならぬケツアゴイケメンが颯爽と現れました ページ5
「能力者になった自覚が無いのは分かった……。歯ァ食いしばれ」
『えっ、待ってその力強く握りしめた拳は何……ゴフッ』
ゴンッと落とされた拳骨は脳内をぐわんぐわんと揺らした。ねぇ、ご主人様。私一応カデコリーは女の子なんですが。
「テメェがした行為は自分の命だけでなく、ワイヤーの命も危険に晒していたことを自覚しろ」
『！！』
「キッド船長！俺は別に大丈夫で」
「お前がよくても俺が許さねぇ」
俺はお前らの船長だ。お前らの命を守る責任がある。
「この痛みは2人分の命の痛みだ」
キッド船長って、本当こういうところがある。
そりゃあ、船員みんな船長のことを慕うよね。
『ワイヤーさぁぁぁああん！！！ごべんなざいぃぃいいい！！！』
「うわ、きたね(いいってことよ)」
『本音と建前が逆なんですけどぉおおお！！？』
ヒートさんにティッシュをもらってチーンと噛んでいると、急に甲板がざわつき始めた。
えっ、何？私がこんなことやってる間に、海軍と白ひげの決着ついちゃった？
そう思って周りを見たがどうやら違うらしい。
甲板にはさっき同人誌のネタにしようとしたケツアゴイケメンが立っていた。
「失礼する」
そう言うと彼はスタスタとこちらへ歩いてきた。
えっ、何もしかしてさっき私が妄想していたことが実はバレていて名誉毀損で訴えにきたとか？
待って待って違うんです。
「テメェ、Xドレーク。うちの船に何のようだ」
その前に我らがキッド船長が立ちはだかる。
ふぅー！！さすがご主人様ぁ！かぁっくいぃいい！！
「そこの少女をこちらに渡してもらおう」
やっぱこれバレてるよね！？妄想したのバレてるよね！？ケツアゴイケメンとか言ってたのもバレてたりします！？
でもイケメンってつけてるし！褒め言葉だし！
あわあわと慌てる私をよそにキッドさんは淡々と続ける。
「こいつは俺の船員だ。勝手なこと言ってんじゃねーよ」
「船員？先程、殴っているの見えたし現に今泣いているじゃないか」
およ？あれ、このケツアゴイケメンさん何か勘違いしてる？
キッドさんの影からひょこりと顔を出すと、ケツアゴさんもといドレークさんと呼ばれていた人と目が合った。
目が合うと彼は素敵な笑顔でこう告げた。
「もう大丈夫だ。君を保護しにきた」
あっっっ！100%勘違いしてるやつですねこれ！！！
いやん、キッド船長の視線が怖い！！！
50、強者に媚を売るのは生き残る上で大事だと思う→←48、アイコンタクトしたらケツアゴイケメンが釣れました
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 920人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ(プロフ) - 体に負担がかからないよう、私生活にも支障がない程度で更新してくださるととても嬉しいです。とても長く拙い文章ではありますが、伝わることを願っています。素敵な作品をありがとうございました。 (9月12日 23時) (
レス) id: 584fdf3a28 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - 貴方の書く小説を他にも読みたいと思いこの作品も読んでみました。しばらく更新はされていないようですが、貴方の小説を読んで懐かしく、幸せな気持ちになった読者がいるということが届くといいなと思いコメントをしてみました。 (9月12日 23時) (レス) id: 584fdf3a28 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - はじめまして！中学の時から高校の時かもううっすらとしか記憶にないのですが、作者様が執筆されていたクロコダイル落ちの小説を思い出し、久しぶりに占ツクを開きました。やはりいつ読んでも面白くキュンキュンしてしまい、昔と同じ感覚を味わいとても感慨深いです。 (9月12日 23時) (レス) id: 584fdf3a28 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - キッド無自覚で周りのクルーから暖かい目で見られていて弟感あって可愛いかったです！キッドと夢主くっついたら楽しくなりそうですね！ (2023年4月15日 10時) (レス) @page27 id: 27acb71b9d (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 夜叉さん» 肩幅広そうですもんね！いつも見てくださりありがとうございます☺️ (2023年4月11日 11時) (レス) @page26 id: adacf99202 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：礼
| 作成日時：2023年1月11日 19時
