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島の本拠地である屋敷へ戻ったAはいつものように屋上にいた。
手元には一冊の本。
この島では彼女以外に起きている人間はいない。
そんな中、本を読むことは彼女の楽しみであった。
「明けない夜はない。人生において悪いことばかりは続かない。だから頑張って前を向こう＿＿か」
明けない夜はない。シェイクスピアの“マクベス”第4幕で出てきた台詞。
えぇ、明けない夜はないでしょう。
少なくともこの島以外は。
この島も、以前は普通に夜が来て朝が訪れていた。
それが今では朝が来ることは完全に無くなった。
私が能力を使って眠らせた人達が増えていくに連れて、夜の時間が長くなっていったのだ。
眠りについた人達が夢に溺れ、朝が来ることを拒んでいるのだろうか。ユメユメの実能力にこんな力があるとは知らなかった。
それは思わぬ誤算であり、好都合だった。
この特殊な事象を利用することで、夢見島は夢と現実の曖昧な世界に置くことができた。
夢を見ている人達が朝が来ることを拒むという性質を利用したのだ。この島が見つかれば夢から覚めなければいけなくなる。
夢を見続けるためには、この島を隠す必要があると皆に伝えた。
結果は見ての通り。
この島はいまだに世界政府から見つけられていない。
私の名前と過去の写真は報道されたが、私の能力や目的などは何一つ政府はつかめていない。
『…目的なんて大層なものは持ってないけど』
私が皆を夢へと誘うのは、それは＿＿＿
そこまで考えて思考を止めた。
視界の端に灯りが揺れるのが見えたのだ。
屋敷へと続く一本道。
まだ遠くではあるが、木々に囲まれたその道に屋敷の方へ灯りが近づいてきている。
こちらに向かってくる灯りだなんて、決まってる。
『やっぱり来たんだ。偽善者海賊団』
本にしおりを挟んで閉じる。
忠告したのに。
素直に言うこと聞いてくれれば良かったのに。
『今日は良い月が出てる。きっと良い夢が見られるはず』
ねぇ、海賊さん達。
『素敵な夢を見せてあげるね』
屋上に繋がる扉がパタンと閉まった。
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礼(プロフ) - 神永さん» ありがとうございます！行き当たりばったりで始めた作品ですがそう言っていただけるとありがたいです☺️ (2023年2月3日 9時) (
レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
神永(プロフ) - ルフィの心優しさといい意味でアホっぽいところがよく出てて凄くいい作品でした…！！第一章最終回も楽しみにしてます！！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page21 id: c0702c41ce (このIDを非表示/違反報告)
礼(プロフ) - 霧氷さん» ありがとうございます！ちょっと構想ができたので行き当たりばったりですが連載始めてしまいました…！他の作品も更新しつつ書いていけたらと思ってますのでよろしくお願いします！ (2023年1月5日 10時) (レス) id: 84a23c082a (このIDを非表示/違反報告)
霧氷(プロフ) - 短編で読んだ時から、ずっとこの先見てみたいと思っていたお話なので、今読めて感動しています……！ ご無理のないよう、今後の更新も楽しみにしています！ (2023年1月5日 8時) (レス) @page6 id: 55eb7410ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：礼
| 作成日時：2023年1月4日 23時
